研 究 (福島 邦彦, Kunihiko Fukushima) |
福島Top | ネオコグニトロン | 遮蔽パターン認識・修復 | オプティックフロー抽出 | 対称軸抽出 |
ネオコグニトロンによるパターン認識 | |
ネオコグニトロンは,視覚神経系の性質をヒントに1979年に福島が提唱した視覚パターン認識機構のモデルである. 視覚神経系に関する Hubel-Wiesel の古典的階層仮説に類似した多層の階層型構造を持ち,パターンの変形にも強いパターン認識能力を,学習によって自己組織的に獲得していく. このネオコグニトロンの回路構造と学習方式に改良を加え,実際の脳の視覚系により近づけるとともに,パターン認識能力を大幅に向上させる研究を進めている. 例えばネオコグニトロンの原理を用いたパターン認識システムでは,手書き数字の大規模データベース ETL1 (旧電総研で作成したデータベース)を用いた実験で,学習に用いなかった未知のテストパターンに対して 99.7% 以上の認識率を得ている.
文献
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部分的に隠されたパターンの認識と修復 | |
われわれは,ほかの物体で部分的に隠されているパターンを見たときに,隠している物体が見えれば隠れているパターンが何であるかを容易に理解することが出来るが,隠している物体が見えないとパターンが何であるかが分からなくなることが多い. このような現象を説明する仮説を立てて,人間の視覚と同じような反応を示すモデルを提唱した. また,この回路に,トップダウンの信号経路を追加して,隠れたパターンを認識するだけでなく,隠されている個所の形状を修復することも出来るように発展させた.
文献
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オプティックフローを抽出する神経回路モデル | |
生理学の実験によると,サルの大脳の MST 野と呼ばれる個所には,大視野の回転や拡大縮小などに選択的に反応すす神経細胞があり,それらの細胞は optic flow の中心の位置には影響されずに反応すると報告されている. そのような細胞の働きを説明できる神経回路モデルを作った. このモデルは,原理的には,ベクトル解析で使われる rot や div などの演算を神経回路が行なっているという仮説に基づいて作られている. この考え方は,ロボットビジョンなど広い範囲への応用も考えられる.
文献
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画像の対称軸を抽出する神経回路 | |
この神経回路は,幾何学的図形からだけでなく,デジタルカメラで撮影した中間調(灰色)やテクスチャーのある複雑な画像からも,対称軸を正しく抽出できる. 入力パターンが2本以上の対称軸を持っていても,それらすべての対称軸が抽出される. このとき,わずかな変形や輝度の違いなどにもとづく微細な非対称性には影響されずに,対称軸が抽出できる.
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